アマプラ、素晴らしい出来に感じ入る。裏切りフラグは立たないがショーンビーンの非情さに酔いしれ、ベテラン俳優がアクションするときは素早く一撃の動作を持って対処する最適解のアクションの演出も素晴らしい。
だがこの作品を最上に持ち上げたのはテロリストの青年が如何にしてテロへと向かったか、細かい動機が過去から丁寧に綴られることによる青年への感情移入だろう。元から持っていた凶暴性の発現が恋愛のジェラシーやディベートで見せた暴力肯定からという、一見稚拙に見える事に大いに共感したことがデカい。連合赤軍事件が女の前での男のマウントの取り合いが発端だったのと重なり、意外に人は簡単に凶暴化するリアリティを感じた。ストーリーも見事でどんでん返しを用意し闇は深く、誰よりも狙われた男と同じ後味を感じた。