かたゆき

エンダーのゲームのかたゆきのレビュー・感想・評価

エンダーのゲーム(2013年製作の映画)
3.0
「姉さんへ。僕はこれから敵の母星に程近い訓練基地に向かいます。そこで最終試験を受け、合格すれば、僕は侵攻艦隊を任されることになります。本当は嫌だけど、戦争は避けられないでしょう。姉さんの無事を祈っています。エンダーより」――。
凶悪な異星生命体“フォーミック”の突然の襲撃により、滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。
人類は偉大な英雄の犠牲により、辛うじて敵を追い返すことに成功するのだった。
だが、戦力を回復した敵の再襲撃が近いことは明白だった。
人類は世界中から天才児を集め幼いころから英才教育を施し、彼らにすべての希望を託したのだった。
その中の一人である聡明な少年エンダーは、訓練施設内で様々な葛藤を抱えながらも仲間たちと共に少しずつ成長してゆく。
人類の未来を守るために……。
数々の権威ある賞に輝くベストセラー小説を、ハリソン・フォード&ベン・キングスレー主演で映画化したごりごりのSF作品。

徹底的に拘りぬいて創られたであろう、その美麗な映像は確かに見応えありました。
冒頭の訓練施設内での、『フルメタルジャケット』のハートマン軍曹へのオマージュとも言える描写が象徴するように、SFの枠を借りながらも戦争がもたらす人間性の破壊とそれでも戦争を続けざるを得ない人間の宿命を寓意的に描き出す、その視線の鋭さには感服するものがあります。
そして、この全編に横溢する半端じゃない緊張感にも圧倒されました。

ただ…、あくまで個人的な好みなのだけど、僕はこういう登場人物誰一人として最後まで心の底から笑わず、ずっと眉間に皺を寄せて、延々とクソ真面目に任務を遂行するような超クソ真面目な作品って個人的に苦手なんですよね~。
この子供たちっておならとかしないんですかね(笑)。
それに、終盤辺りまで一向に敵と開戦しないものだから「あんたら何時まで訓練しとんねん!」と突っ込みそうになったら、最後に「実は…」という展開を見せるところも僕は「はぁ、マジで(怒)」って感じでした。

そこのところを許容できるかどうかが、今作の評価の分かれ目でしょうね。
でもまあ、通好みのハードSF作品として、「スタートレック」や「エヴァ」シリーズが好きな人は充分楽しめると思います。
主人公エンダーを演じた少年の目力も凄かったですし。
かたゆき

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