ヒロシニコ山

グリーン・リバー キラーのヒロシニコ山のレビュー・感想・評価

グリーン・リバー キラー(2005年製作の映画)
4.0
ニュー・ジャーマン・シネマの離島派にして、80's トラッシュ・シネマ監督という異端、ウーリー・ロメルがゼロ年代に濫造した殺人鬼映画の一本。特筆すべきはドイツ非倫理映画界(そんなものがあるとしたら)代表格、マリアン・ドーラが第二班監督として参加していること。この時期、ロメルはドーラと親交を深めており、活躍の機会を与えようとしていた。撮影機材はお安いが、フォーカスを甘く死体を映すくだりはマリアン・ドーラの監督パートと目される。あと解剖される死体もそうではないか。なんだか『サンゲリア2』のどこまでをフルチが撮って、どこまでをマッティが…みたいな話になってくるね。ドーラとロメルが組んだ作品は『BTKキラー』など複数あり。ロメルが制作し、ライオンズゲートが主に配球を務めたこれらの殺人鬼映画には『ゾンビ』のケン・フォリーが製作・主演を務めたもの(日本未公開)などもあり、ロメルの人脈に改めて驚かされる。ロバート・ピックトンの映画や人喰い殺人鬼のものはアメリカで配給されておらず、なぜかオーストラリアでのみDVDがリリースされていたりするので、この時期の作品を一気に観るには根気が必要かも。
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