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ヴァイブレータのoden8のレビュー・感想・評価

ヴァイブレータ(2003年製作の映画)
3.7
めっちゃ不思議な作品。
寺島しのぶさんが演じるレイの気持ちが、共感できそうで…やっぱり圧倒的に理解の範疇の外かも。わからん。

"ただ、あなたを食べてみたかった。"
by レイ

それは恋とも愛とも呼び難い気持ち。限りなく恋愛に近い様で、恋愛ではない気もする。本能と感覚が求めた感じかな?
その際い感じを寺島しのぶさんが身体を張って怪演。ホンマにすんげえ女優さんだわん。個人的には、タイプの方ではないが…まぁエロいよね。色気が漏れ香ってるのよん。それも、"あっ…関わったら火傷するな"みたいな危険なエロさ。悪く言えば薄幸、よく言えばほっとけない感じ。ついつい抱きしめたくなるよね。

寺島しのぶさんの圧倒的な演技力と、醸し出す雰囲気が魅惑なんだわ。瞬間瞬間の表情も声も。

無性に誰かを求めてしまう時。誰かと触れ合いたい時。少しだけでいいから孤独と心を埋めてほしい時。ただただ、人の温もりを感じたい。わたしの我儘に付き合ってほしい。ただ受け入れてくれるだけでいいの。
わたしは普通じゃない。そんなの分かってる。だけど、わたしにとってはこれが普通になってしまっているの。どうしようもできないの。だけど、あなたといたい。ちょっと、わたしの普通でいられそうだから…お願い。

ほんの少しの温もりが。僅かな優しさが。孤独を強めたり。孤独から解き放ってくれたり。ちょっとだけ嫌いな自分を許せそうな気がするの。あなたといると。

レイの心の本能の声と理性の声を、字幕と天の声で演出されていたのかな。観ててレイの感情の機微を理解し辛い部分も多々あるが。寺島しのぶさんの演技力から、自分をコントロールするのが難しい人だってことは如実に伝わってくる。

ロードムービーならではの、取り留めのない自然な会話の雰囲気。流れる音楽の旅感。そして、心の触れ合い。

"わたしを道連れにして。"
by レイ

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 3
Architecture(構成) 3
Picture(画) 3.5
Acoustic (音) 4.5
22-488
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