TAK44マグナム

アンデッド・ウェディング 半ゾンビ人間とそのフィアンセのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.2
それでいいの蚊?


人知れずゾンビが発生しているらしいアメリカの片田舎。
ゾンビハンターがゾンビを撃ち殺しています。
ハンター曰く、「ゾンビは死んでてナンボ」
すると、そこへ血を求めて一匹の蚊がブ〜ンブ〜ンと飛んできました。
蚊は、オバちゃんゾンビの血を吸い、今度は森のコテージに休暇でやってきた主人公を刺します。
そう、蚊を媒介して、主人公はゾンビウイルスに感染してしまったのです🧟‍♂️

それからというものの、脳みそを猛烈に食べたくなり、「脳みそ」という単語を聞いただけで大量のヨダレを垂らしちゃう「バタリアン」タイプのゾンビにメガ進化!
主人公の婚約者と妹夫婦たちは、仕方なく脳みそを調達しようとするのですが・・・


知らぬ間に半ゾンビ化してしまった男の悲劇を描くホラーコメディです。
婚約者は「結婚式をあげて絶対に幸せになるのよ!」とヒステリックになるわ、親友は「お前はゲイゾンビ第一号だな」と冗談で済まそうとし、コテージはパニック状態に。
元々、仲の悪かった婚約者と妹のキャットファイトまで始まっちゃったりします。

ゾンビはそんなに出てこないのでホラーとしては大したことありません。
異常な事態に直面して異常になってゆく面々を笑うというスタイル。
なにせ、思考は残っていても身体は死んでいるので痛みも感じず、ある種のスーパーマンみたいに「うひょ〜、俺ってすごい!」とはしゃぎまくる展開は、どことなく「ザ・フライ」を思い起こし、その後の悲劇を想像させます。
でも、「ザ・フライ」のようなとんでもない描写は最後まで見せてくれませんので、オチが弱いんですよね。
それがこの映画の決定的な弱点のような気がします。

ゾンビ上等なハンターや、動物の脳みそを売っている肉屋店主、脳みそ調達のターゲットとなる巨漢の男など、ボンクラそうなキャラクターが揃っている割に、そこまで笑いに直結していないのが残念。

一番笑えたのは主人公の腹を満たすために婚約者と妹がタッグを組んで「お色気作戦」を決行する場面ですけれど、ここも些か中途半端で、全体的に突き抜け感に乏しいというのが鑑賞後の率直な感想です。
やはり、オチさえもっとバカやってくれればな、と。
ハッピーエンドにしろバッドエンドにしろ、観る側の想像に任せたのかもしれませんが、もっとサプライズな幕引きを画で見せて欲しかったし、少し勿体ないと感じた映画でした。

ただし、主人公のマンガチックな顔芸は「死霊のはらわた」のブルース・キャンベル並みで、一見の価値ありかもしれませんよ。


NETFLIXにて