終盤まで凡庸かと思いきや最後の最期に仕掛
本作は熱狂し見まくった頃のインド作品たちとはちょっと趣が違うと感じたが、現代西欧映画的な演出やサスペンス風音響等の影響のせいかもしれない。
それでも終わってみればやはりインド映画以外の何物でもなかった。
中盤位までの展開はインド的笑える小ネタ満載でも正直生温く、お得意のファンタジックミュージカル演出も上滑りという印象。
しかし、法廷劇へと突入してから知的好奇心がやんわり盛り上がる。
告発側の弁護士が思いっきり嘘をついて、一体どう収束させるのか先が読めなくなる。
そして最後の最期にこちらの涙腺に作用が及ぶに至って「くそっ、やられた・・・」と、しかも二重に被せて・・。
焦点はあの知的障害という設定の父親が自らの知能で最善と思われる方法を選択したという点。
救いがあるとすれば最初に孫娘を知恵遅れの父親から引き離した富豪が、法廷での父と娘の言葉によらない会話を見て心を動かされていたこと。きっと映画エンド後には父と娘の頻繁な接見も何ら支障なく許可奨励してくれたに違いない。
総評3.6の四つ星
見所というわけでは決していないが、インド美人がこれでもかと顔を揃え誰が誰だか中盤位までこんがらがってしまったのは「ちょっと喜ばしい困惑」だったかもしれないな。笑
002010