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神さまがくれた娘のBaadのレビュー・感想・評価

神さまがくれた娘(2011年製作の映画)
4.1
タミル語の娯楽映画、障碍者もの、というと『アンジャリ』の苦い記憶があるので二の足を踏んでいましたが、たまたま見た『デリーに行こう』が少し薄味気味で物足りなかったので続けて見てしまいました。

障碍者ものとしては、いろんな障害ごっちゃまぜにし過ぎじゃない?という感じで、主演のヴィクラムさんの障碍者演技にあまり現実味がなかったのがかなり大きなマイナスなんですが、それ以外にはほぼ突っ込みどころのない良作で感心しました。(わざとらしかったシャー・ルク・カーンの「マイ・ネイム・イズ・ハーン」の障碍者演技はすごく上手かったんだなあ、と今さらながらに感心したり、でも上手いからいいってものでもないな、と思ったり。)知的障害があるだけできっちりした性格みたいだから、あんなだらしない格好する必要はなく、もう少し格好良く見せた方がストーリーにも説得力が出たんじゃないかとは思うのですが・・・

正直音楽に乗せて娘との心の交流を描く前半はたらたらしすぎて退屈して外れかな?とも思ったのですが、後半になって俄然面白くなってきました。(私、タミル語映画の音楽の使い方はやっぱりマニ・ラトナム以外は泥臭すぎて合わないみたいです。)

それぞれの立場で色々な人たちが自分の正義を通す為にみんなかなり強引な戦いをするのですが、それぞれが善意なんですよね。裁判という場でぶつかり合ってそれなりの答えを出して行く。その過程で障碍者を全然甘やかしていなくてちゃんと人間として対等に戦っているところが好感度大でした。

最後の結論は必ずしも甘いものではなかったけれど、これが正解かどうか、これを受けて周囲の人はどう動くのか、余韻を残した終わり方はとても良かったと思います。

それから、登場する女優さんたちがとっても美人でびっくりしました。とくに事務長役の女優さんはディーピカちゃんにそっくりな美人で目の保養になります。弁護士の女性二人やラージさんも好印象。

実は男性の俳優さんも体型とかルックスも筋肉過多の最近のボリウッドの役者さんたちよりはタミル映画に出る人たちの方が目に優しかったりするので、すごく楽しかったです。とくに大物弁護士とか、工場長とか、最初に客引きをしていた若い弁護士役の人とか・・・(主演のヴィクラムさんだけは、わりとどうでも良かった)

(意外にも良作 2015/3/9記)
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