1991年
バブルの残滓。
私もその時代を生きてはいたが、
その時代の大人達を冷めた目で見ていたが故に、
まさに「その時代が産んだ」、という作品は、
愛憎渦巻き痛痒くてとても平常心では観ていられない。
自主制作が持て囃された時代。
全編を覆う、世の中を舐めた感覚。
そしてジムノペディの力技。
映画とは、できれば普遍性を持ったものであって欲しい、といつも思う。
どんな時代にあっても、その作品に込められた切実な思いや、テクノロジーや倫理、制約との必死の格闘の痕、当時封切りで観た人々のそれには届かなくとも、なお驚きや感動があって欲しい。
世に言う名作は勿論、今般我々が手に取れる作品群の殆どには、当然の様にそれらが封じ込められている。
ここに封じ込められているのは、かつて我々はこんなにも世の中を、映画を舐めていた、という黒い歴史だ。
Wikiのあらすじがフルネタバレ。
しかし、そのあらすじは本編よりも面白い。