明晰夢を見たときのパステルカラーで新鮮でドキドキときめいて幸せな心地よい気持ちと、後の方になって夢の主導権が自分の手から離れて、方向修正しようとしてもどうしようもなくそのまま進んでしまう寝苦しさを感じる映画だった。
タイブライターで流れ作業をしている映像が、限られた睡眠の中でああでもこうでもとストーリーを組み立てていく気持ちに似ていたなあ。
夢の中で恋に落ちて、愛する人は病に倒れ、彼女の存在も彼女と過ごした日々も泡のように弾けて跡形もなく崩れってしまったような絶望を感じるけれど、彼女の存在も彼女と過ごした幸せなもの日々も彼女が生きた証として残されている美しい結末。本当に夢を見ているよう。
こんな気持ちの良い映画初めて観ました。
好きな映画というほどではないけど、光の感じや色彩小道具感や撮影手法の多彩さ、すごく面白かったです。