⚪概要とあらすじ
作家やミュージシャンなどとしてマルチに活躍したボリス・ヴィアンの傑作小説を、『エターナル・サンシャイン』などのミシェル・ゴンドリー監督が映画化。
仕事をしなくても生活できる財産があり気ままに生きていたコラン(ロマン・デュリス)は、純粋なクロエ(オドレイ・トトゥ)と付き合うことに。その後、友人たちに見守られながら結婚した二人は幸福に満ちあふれた生活を送っていたが、ある日クロエが肺にスイレンが咲くという奇病に侵されてしまう。ばく大な治療費を稼ぐために仕事をし始めたコランの人生は徐々に狂い出し、クロエも日増しに弱っていき...。
⚪感想
''これは本当の物語だ なぜなら すべて僕が想像したことだから ボリス・ヴィアン''
冒頭の記述からなんか心惹かれてしまったし、物語は凄く不思議で奇妙で可愛くて、幻想的で、メルヘンで、ふわふわで、キラキラで、残酷で、ダークでなんとも言えない世界観と遊び心だった。
独特過ぎて圧倒的に好みがわかれると思う。
前半はポップでキュートにカラフルだったのに後半から急にダークで不穏に白黒になる。
カクテルを作るピアノやベルを鳴らす虫、動く料理に、人を運ぶ雲、働くネズミ、追いかける影、暖めて育つ銃と独創的で観ていて楽しかった。
自分が生きているこの世界と映画の世界のどっちが本当の世界か分からなくなる。不思議。登場人物たちがなんの疑念も抱かずに過ごしているからなのか。
肺の中にスイレンの花が咲く病ってオシャレすぎる。花吐き病みたい。
一回観ただけじゃ理解できないけど、観終わった時のこの喪失感と寂しさはなんなんだろ。
素敵な中に残酷さ。泡沫というかシャボン玉。
言葉にできない良さがある映画。
また観たいけどメンタルが...。
どこまで再現しているのか分からないけど原作も読んでみたい。でも映画の発想のセンスずば抜けてる。
⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。