キミシマユウキ

ゼンタイのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ゼンタイ(2013年製作の映画)
3.5
全身タイツを愛する人々のオフ会を中心に描く壮大な人間ドラマ……

『恋人たち』『ぐるりのこと』の
!!樋口亮輔監督!!
によるオムニバスコメディ。
全6編の即興劇だとか。
全身タイツ愛好家に興味があったので鑑賞。


「変態さんは、
自分の欲望に真っ直ぐで
嘘がないから」


最初は再生する動画を間違えたかな?というくらい関係の無い日常会話コントが繰り広げられており、

「おや?ハズレを引いたか?」

なんて思っていたがしかし!
最後まで通してみるとなるほど一つの作品として綺麗に纏まっているのである。
一つ一つを簡単にご紹介

【草野球】
なかなか勝てなくても集まること自体が楽しいスポーツサークルってあるよね。ただ本気で勝ちに行きたい人もそこにいると少し空気が悪くなるよっていう会話劇。

【コンパニオン】
実力もないまま歳だけ重ねた先輩ってのは年下から見ると非常に”イタい”し、冷笑されがち。
特にコンパニオンなんて見た目と若さがステータスだしね……。

【発泡酒】
“1杯目はビール”という謎の通説で困っている女性やお酒の弱い男性は多いのではないだろうか?
そんな方々はこのこだわりの強いおっさんと飲むのはやめましょう。くそうざいです。

【レジ店員】
一番好きな話(笑)
大人が正論を翳しているように見えて、外見がチャラそうなギャルの方が正しいことを言ってたりする。この絶妙な力関係がたまらない会話劇。
アルバイトを雇っている身としては分かりみが深い。やばみ。

【ゼンタイ】
本番。全身タイツを被る事で現実にフィルターを掛けた不器用な大人達のオフ会。
誰でも辛い時は目を背けたくなる
そんな時、ゼンタイ(全身タイツ)あったら着てみたくなるさ…多分。
普通に女性達の見た目はエロい。
なんかエロい。エロい話じゃないのに可笑しいな…。

【主婦】
主婦同士のいざこざってのは会社や学校での渡世術とはまた違った綱渡りで難しい。
誰が真の味方で誰が敵か。騙し騙されのライアーゲームを生き残ることが出来て初めてママ友達の頂点に立つことができるのだ。
つまり、男でよかった。

とまぁこんな感じで一見独立しきっているオムニバス形式です。
見終われば意外と共通してるようなしてないような一体感を覚えるので是非みてみよう。

ただ個人的にはもっと変態的な全身タイツ集団を見たかった。。。

全身タイツに興味がある方、会話劇好き、そして全身タイツオフ会したことある方は僕に教えてください。じゃなくてオススメの作品。