ないで

タイピスト!のないでのレビュー・感想・評価

タイピスト!(2012年製作の映画)
4.2
父親の決めた結婚を拒んで、保険会社で念願の秘書として働くことになったローズ。しかしタイピングの速さしか取り柄のない彼女に上司のルイは大会で優勝しなければ解雇だと言い渡し、二人の猛烈な特訓の日々が始まる。

舞台は1950年代のフランスで、ローズの衣装がどれも最高に可愛い。ルイは初々しい色香に迷って彼女を採用したようにも見えるのに、「一緒にタイピングで優勝しよう!」と明後日な方向の提案を持ち掛ける。ルイの側には幸せな家庭を築いている親友夫妻がいて、元レジスタンスの彼はどうやらいろいろ拗らせたままの男なのだ。

ルイが修行の一環としてローズにタイプさせるのが様々な文学作品で、「内容は理解しなくていい」と言われながらもローズは結構読み込んでいる。そこにすれ違う2人の恋がなんとか成就した秘密があったのかも知れないし、次作の『9人の翻訳家』に通ずるところもあった気がする。世界大会で優勝しなければ付き合えないルイは面倒臭すぎだけど、そこがこの監督らしさなのかなと思ったりもしました。
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