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危険なプロットの&yのレビュー・感想・評価

危険なプロット(2012年製作の映画)
4.4
【2013/11/10:ル・シネマ】他人の「家の中」を写実的かつ豊かな文体で覗き見させる美少年・クロード君の作文ってだけでも背徳萌えなのに、実存主義の入れ知恵で彼の文才を操って物語の続き(=虚構)を支配しようと必死のジェルマン先生は、その実ロマン主義なクロード君の書く微・官能な展開に人生(=現実)までヤラれちゃう、、って観てるこっちもあれ?いつの間にか歯車おかしい?構造主義を俯瞰してたつもりが飲み込まれちゃったジェルマン先生同様、すっかりオゾン君の完璧なプロットに飲み込まれてしまいました。体験型映画。
続きは「家の中」で。…と言われてるみたいなラストもなかなか面白いけど、そこだけを渇望させるような安いサスペンスではない。オープニングの顔羅列とラストのアパートメント、個を覆う制服と現実のクロード君の生活など、対となる要素が映像表現的にもおもしろいし、ユーモアで作る抜け感も見事。そして、下世話な話なのに品がある。なんというバランス感覚…!
「マッチポイント」のポスターには思わずニヤっと。
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