PERSPECTIVE

野獣死すべしのPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.8
他のどの映画以上に「視線」に支配されたあんまりにも危なっかしい映画。
登場人物の外的なアクションをその周囲から映すのではなく、彼らの視線とほとんど一体化したショットを徹底することで、余りにも冷徹で暴力的な映画と平穏極まりない我々の世界との距離はとてつもなく近づいているという錯覚を抱かずにはいられなくなる。
その上で繰り出される自己完結的かつ支離滅裂なラスト、その非現実感が逆にこちらを映画の中へと引きずりこみかねないほどの破壊力となって襲い掛かる。ある意味で映画から逸脱した存在であり、ある意味では映画らしい映画かもしれない。
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