ゴン吉

野獣死すべしのゴン吉のレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.0
理不尽な現実を目の当たりにしたエリートの人間崩壊を描いたハードボイルドアクションドラマ。
松田優作が主演、小林麻美がヒロインを演じ、鹿賀丈史、室田日出男らが共演。 

東大経済学部出身の伊達邦彦(松田優作)は通信社に務めていたが、世界各地の紛争地帯での取材を通して理不尽な現実を体験し、仕事を辞めて銀行強盗を企む。ある日、大学のゼミの同窓会に参加するが、会場となったレストランで働いていた短気なウェイター(鹿賀丈史)に声をかけ、二人で銀行強盗を実行するが…

無秩序な世界を目の当たりにして狂気と化した東大出身のエリートの顛末を描いたアクションドラマ。
松田優作が魂の抜けた亡霊のような主人公を好演している。
警官、違法カジノの従業員、銀行員、社長秘書など誰それ構わずに殺害する主人公。
そんな彼が最後に命を奪った相手は.... 
ラストは精神状態が崩壊した主人公の幻想で幕を閉じる。 
拳銃のグリップの裏側に描かれていた内容が理解できなかったのが残念。
またヒロインの描写もあっさりすぎるように感じ、物足りない。
もう少し丁寧に描いてほしい部分もあったが、人間の壊れっぷりを狂演した松田優作が見事でした。 

2023.10 BS12で鑑賞
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