Asino

美しき仕事のAsinoのレビュー・感想・評価

美しき仕事(1999年製作の映画)
4.0
ドゥニ監督のトークショー付き上映で。

アフリカの小国ジプチ(紅海に面してて対岸はイエメン)で、外国人部隊の一員として日中50度にもなる環境で日々訓練を続ける男たちの話。
もともと「異邦人」というテーマで何か撮るというところから着想したそう。

除隊になったあとの主人公(ドニ・ラヴァン)が、マルセイユで当時を回想する形式なのだけど、それも監督が、実際にマルセイユにあった外国人部隊の病院にいる隊員たちが近くのカフェで過ごしてる様子を取材したところから来てるらしい。

閉鎖的な環境の中で男の嫉妬が炸裂する的なストーリーなので正直話は「美しく」はなく。一方(意図的に)美しく撮られた彼らの肉体と、からからに乾いた岩ばかりの大地と対照的に澄みきった海と、塩が真っ白に結晶した海岸などの描写は厳しく美しくて。
そのギャップに目眩がする。

台詞はすごく少なく、正直前半だいぶうとうとしてしまったんだけど。
嫉妬を向けられひどい目にあう若者がグレゴワール・コランでとても美しく、死にかけてる姿をきれいと思うのはどうなのか、という背徳的な気分を味わえます。(たぶんそれも監督の意図のうちなんでしょうと言い訳をしつつ)

ラストの、すごい身体能力を見せつけられるダンスシーンで、わあドニ・ラヴァンだ!ってなりました(なつかしい世代)
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