かりんとう

MAMAのかりんとうのレビュー・感想・評価

MAMA(2013年製作の映画)
3.5
泣けるホラーの新定番に加えたい
母は強し!父親は????

レビューを書こうと思ってふと思い出したエピソードがある。
動物園の飼育員さんがSNSで「爬虫類を子供の前で気持ち悪いといわないで!」と訴えたというもの。
大部分の人にとって爬虫類が忌み嫌われるのは、子供の頃から親が怖がることによる「刷り込み」のせいだという。

本作の幼い姉妹たちは、人生の殆どを占める5年の期間に愛情を注いでくれた「MAMA」を本当の母親だと思って慕っている。
我々にとってはすこぶる恐ろしすぎる造形のMAMAだが、彼女ら特に妹のリリーにとっては、ほぼ唯一のかけがえのないママなのである。

以下少しネタバレしています↓

ラストはギレルモ・デル・トロの「永遠の子どもたち」を思わせるメリーバッドエンド。
悲しいが腑に落ちる姉妹の選択だった。
いつだって親は子の、子は親のそばにいたいと本能的に思うものだ。(例外もあるけれど)
ヴィクトリアの心情は察するにあまりあるが、これからの彼女の人生は幸せであると信じたい。
そしてリリーも、無限の愛情に満たされて、彼女なりに幸せになったのだろう。

生けるもの、死せるもの、双方に幸あれ。

ただし、妻を殺害し幼子2人をも手に掛けようとしたお父ちゃん。
お前は地獄で一生反省してろ!!!