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フリークス(怪物團/神の子ら)のkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『フリークス』怪物圑 1932年
65分。 米国映画。

フランスの見世物小屋の一員である小人(現代なら成長ホルモン分泌不全性低身長:下垂体性小人症と云うけど差別意識無しで小人と書きます)のハンスは、小人の曲芸師のフリーダと婚約しとった。
しかし、美貌の軽業師のクレオパトラに魅せられてもいた。
ハンスが親戚からの莫大な資産を相続することを知ったクレオパトラは金目当てに彼を誘惑して、ハンスは彼女との結婚を決めてしまう。
婚約者を奪われて悲嘆にくれるフリーダを、一座の仲間のフロゾとヴィーナスは心配して慰める。
実はクレオパトラは一座の怪力男のヘラクレスと通じてて、結婚式のあとにハンスを毒殺する計画を進めていた。。。
ここから話は展開していきます。

原題にある『freaks』のフリークは『通常でない、変わっている』のニュアンスで人間に対して使われてる。
今は、熱狂的愛好家[ファン]て感じでどちらかと云うとポジティブに使われてるのが多いかな。
エレファントマンの名で知られる、ジョン・メリックも『freak house』(見世物小屋)で見世物にされていた。
奇形てのは、先天的に身体性異常や発育の異常があることで、見た目が健常者と違うだけで、怪物と呼ばれてしまうちゅうのは、辛くて悲しいな。
心疾患でも同じかな。
ちょい昔には、生計を立てるために自らを見世物にしていた(又はさせられていた)。
育った町じゃ、隠遁しとる今は知らんが、桜の季節限定で京都の円山公園に見世物小屋が建ってたし、実際に的屋のオッサンにねだって入らせて貰っり忍び込み見ることもよくあった。
今になり思えば、健常者の何倍も辛い思いをしてきとるやろなぁと考えさせられる。
見世物小屋の健常者たるクレオパトラが、遺産目当てでハンスと偽装結婚をし、少しずつ毒を盛る。
騙されていたことに気付いたハンスは『化け物』
とののしられた仲間と復讐をするちゅうホント単純明快な物語やけど、
クレオパトラに対し
『みにくい化け物!』というハンスのセリフこそが的を得てるんかなぁなんて感じた。
人を騙し、心や肉体を傷付ける人間こそ
『モンスター』であり
『フリーク』なんやろなぁと。
小生は『本物の怪物』に足を踏み入れるのをとどまり(一歩踏み入れたかもしれないが)今に至るが、その代償としての強度の不眠症(精神異常かな)に陥ってる。
ある意味とどまったとてこの代償やし、ドップリ浸っちまった『モンスター』たちもきっと生きているなら苦しんでんのやろなぁと。
その上で、誰しもが『モンスター』に成りかねない。
天使でさえ『悪魔』と成るんやし(堕天使)
せや、そないな障りのない世界と、全ての人に平安が訪れること切に願う作品でした。

※感じかたは人それぞれ違うと思います。
もし気に障ったり、失礼な表現がありましたら、
どうか、お赦しくださいね。
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