TaiRa

フリークス(怪物團/神の子ら)のTaiRaのレビュー・感想・評価

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色んな意味で人間って凄いなって思える。そういう意味では元気出る映画だと思う。

見世物小屋のフリークスたちのインパクトが強くて、とかくゲテモノ的な印象を受けやすいと思うが、実際は観る人を選ばない感情移入型の勧善懲悪ストーリー。心の清らかなフリークスたちが、心根の腐った悪役を成敗するカタルシスに溢れている。和気あいあいと過ごすフリークスたちのほっこりエピソードの数々と、悪役の非道過ぎる様が明快で、ある意味ではサイレント時代の作風を引き摺ってるとも言える。悪女役のオルガ・バクラノヴァは、サイレント時代は人気女優だったけどトーキーで仕事減った典型的な役者。今作の彼女は、欠点とされた訛りも活かしつつサイレント的な芝居のデカさもハマってて最高。あんだけインパクトある出演者の中でも全く埋もれてない。出演者で言えば小人のハンス役のハリー・アールスは俺でも分かるくらい台詞棒読みで芝居下手だったなぁ。その朴訥さが役に合ってて功を奏してるけど。シャム双生児の姉妹を使った定番ギャグなんかはこれが元祖かもね。蛇男ことプリンス・ランディアンが煙草に火付ける一連をじっくり撮ってるのが、見世物芸人への愛を感じてやたら感動してしまった。サーカス出身者のトッド・ブラウニングとしては集大成の作品だったのに、これでキャリア潰れて可哀想。今観ても古びないってことは、時代の先行き過ぎたんかな。
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