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フリークス(怪物團/神の子ら)のefnのレビュー・感想・評価

4.2
 手を欠損してようが脚がなかろうが飯を食うし酒も呑むし烟草も吸う。もちろん性欲だってあるから女も欲しくなる。男女のいざこざが起これば犯罪だって起きる。そして、サーカスを舞台に設定し健常者を少数派にすれば迫害の対象が手足の'ある者'になるのは当然のこと。絵面は強烈だが脚本の筋はどうってことはない。
 が、しかし、構造的な逆転が実際の奇形によって演じられることでジャンルで括ることのできない映画になっている。手のない者、足のない者、両方がない者、そういった人たちの復讐劇には凄みがある。
 そして、彼らは奇異な容姿に頼っているわけでもない。女に弄ばれた小人のハンスの怒りの形相、雨に濡れ泥の中を這いずり周りナイフをギラつかせる男たち、そういったギャング映画的な演技や画面が作品に筋を通している。
 これはフリークスというタイトルだが内容はギャング映画だ。奇形に寄り添う内容ではない。だが、この配役だからこそ可能になった本物の表現がある。我々はスクリーンを前に戦慄せねばならない。
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