都部

ムービー43の都部のレビュー・感想・評価

ムービー43(2013年製作の映画)
1.3
下品で下劣で下衆な14篇の短編を豪華俳優陣でお届けする最低極まるオムニバスムービーで、2013年時のゴールデンラズベリー賞において最低作品賞/最低監督賞/最低脚本賞を賜るクソのサラブレッド。

最低な脚本しか書けない男がマネージャーを脅して映像化の構想を語るという切り出しから、顎に二つの睾丸をぶら下げたヒュージャックマンの物語が始まる初速がなんとも凄まじい。最初の一本から映画全体の方針を決定付けるに充分の作品で、これから自分は金の掛かった悪巫山戯を楽しむのだと脳を切り替えること自体は容易である。

しかし本作は別にユーモアセンスに富んでいる訳ではなく、その殆どが低俗なネタなのでその滑稽な不謹慎ぶりに、2.3度思わず吹き出すことが出来たらお釣りが来る程度の心持ちで望むべき作品なのは紛うことなき事実である。

下品で下劣で下衆な作風が先行して面白味は追い付いてこず、あらゆるう方向に差別満載で切れ味は確かなはずなのに調理の仕方がド下手なのが残念だった。徹底した品のなさは潔さすら感じるものなのだが、どれもこれも小ネタの域を出ない為に、映画としての振り切りは足りない。

あと 端的にあの名俳優がこんな馬鹿なことしちゃうんですよ〜的な笑いは、感性として卑しくて好きではないです。

ちなみに本作の制作費は日本円にしておよそ6億円であり、日本の映画製作時の予算事情を鑑みると思わず溜息が出てしまうのもまた言うまでもないことだろう。
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