ーcoyolyー

スティーブ・ジョブズのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)
3.4
私ことアーロン・ソーキン原理主義者兼Appleの犬、てっきりアーロン・ソーキン脚本の方のジョブズ映画かと思って観始めたら、あの目まぐるしく畳み掛けて追い立ててくるカット割と台詞の波を覚悟してたのにちっとも来なくて随分とごゆっくりさんで牧歌的なテンポであることで、あ、これ違う方だな、と理解。

理解した後はウォズがぐう聖だったらそれでいいやくらいにハードル下げて、そこは許容範囲でついでにジョナサン・アイブもしっかり美味しいところ持ってったのでゆるふわジョブズに関しては特に文句ないです。

『KUBO』と『犬ヶ島』があるようにこのジョブズもアーロン・ソーキンのジョブズも両方あっていいと思うんだ。一つの映画だけで描き切れる人物ではないし、スティーヴ・ジョブズほどアーロン・ソーキン向きの人物も中々いないと思うんだけど、ザッカーバーグより全然アーロン・ソーキン向きだと思うんだけど、アーロン・ソーキン向きなんて概念持ち出してる時点で、そしてそれが通じてる時点で鼻持ちならないスノッブですから、紅衛兵やポル・ポト派に真っ先に殺されるくらいのスノッブですから、そんなスノッブとは無縁のこういう間口を広げた作品もあって然るべきだと思います。

こんなジョブズを見て「うわぁ美化されてるー」と思う人間なんて世界の全人口の1%もいないんだよ、この作品でさえ「なんて酷い…」と思うのが世界の99%。たとえ自分が1%側だとしても選民意識に驕らず傲慢さを常に自省しないといけないんだよ、私そういうエリートたちの無邪気で無自覚な感性にいつもヒヤヒヤしている。99%を見下していたらいつか必ずしっぺ返し喰らいますからね。
ーcoyolyー

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