このレビューはネタバレを含みます
ドライブ・マイ・カーに至るまで、濱口の作風が構築されていく様が本作でも伺える。
前半の方が面白い。
複雑な人間模様と劇準備のなかで形成されていった劇だが、後半の本番ではそれまでの断片が結集されていることがわかる。
電車と言葉。
ラストの電車は、2人の行く末を示している。
言葉で映像を表現しようとする濱口の作家性が表出されている。にしても、役者がみな自然に演技をしている。
特に前半のラストの語りと真っ暗なまま歩く場面が、ドライブ〜の冒頭の描写ともつながり、とても惹かれた。