くさむすび

親密さのくさむすびのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
3.4
自覚、認識、他者を知った気になること。前々から薄々勘づいていたことだけど、自分が詩の暗喩を読み取るのが苦手だと言うのを決定付けられた。2部冒頭の詩、野口さんの詩とか何を言いたいのか全然分かんない。でも悦子が読む"魂"の詩は、濱口作品で常に描かれる言葉に潜む暴力性の表象かなと思った。
自分の体調が良くないのもあって想像以上にハマらなかったけど、橋のシーンが神がかってて鳥肌が立つ。良平がとある告白をして2人が歩みを止める瞬間、それからカメラが段々と2人を追い越し、背景が完全に陽が落ちた空から夕焼け(もしくは朝焼け?)を少しすぎた空に変わっていく。凄いとしか言いようがない。
それと駅のホームでのやり取りは、4時間の積み重ねがあるから胸にくるものがある。良平の「簡単なんだよ!」と、投げキッスの応酬には目頭が熱くなった。これは2時間の映画では出せない感動。
エンドロールを見たらもう一回見たくなる。
くさむすび

くさむすび