【『椿姫』に興味があるなら一見に値する】
タイトル通り、オペラ『椿姫』が上演されるまでの練習や、リハーサルに際しての演出家と歌手の打ち合わせなどを描いたドキュメンタリーです。
私はオペラにあまり詳しくないので、こういう練習風景がふつうなのかどうなのかよく分かりませんが、まあ、オペラってこういうふうにプロデュースされていくんだな、ということは分かる作品です。
欧米のドキュメンタリーは日本と違ってナレーターによる説明がない場合が多いのですが、この映画もありません。そこがちょっと不親切に思える。説明があったほうが分かりやすいから。ただし、練習用のピアニストがナレーターの代役を果たしているところも部分的にはあります。
このピアニストの役割が結構重要なんですね。実際の上演ではピアニストは出てきませんけど、練習の過程ではどんなときでもオーケストラの伴奏で練習するわけではないので。陰の功労者と言うべきでしょう。
このオペラの聴き所はたっぷりと盛り込まれているので、単に練習風景が見られるというだけでなく、『椿姫』というオペラ自体を楽しむこともできる映画です。
