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今日子と修一の場合のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

今日子と修一の場合(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

* 3.11 東日本大震災と津波の映像がございます。
トラウマや心臓に堪える方は、
読まずに避けて下さい。

2013年作品

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書こうと思った評が、書けなくなっちゃった。

行きたくても命を、波にさらわれたままの方々が、フクシマにも東北にも沢山おられ、

日本人の人口が数千万人単位で、減る程の出来事。

保険売り込むコールセンター辞めて、すぐ復興支援の仕事に転職して約7年。

24h体制で、企業賠償金払って、詐欺請求無いか?チェックして即お支払いし続け、本社が東京から、福島に変わった。

電力の大切さや、それでもまだ、仮設住宅に居られる方が5,100世帯。

納得いかない、或いは、あがないきれない、家族や祖先伝来の土地を奪われた人々は
総額52億の国家賠償訴訟が起きてる。

民主党政権だったんだよな、初動を誤ったのは。
電機メーカー時代の自分の元居た職場の原子力タービンには、全く問題はなく、

東芝製が、メルトダウンまでしてしまい、
冷却装置が効かない残念な結果となった。

原発利権とか、言いたく無いけど、それも、住民と自治体が受け入れを決めて、国も助成金払って地元産業にしたはず。

そこに重ねての大震災と、津波。
これを想定してだろう、地震の多い日本なのに。

悔いしか残らない今を生きる人に、
歌歌って励ましたところで
仮設住宅から、自宅に帰れるわけでもない。

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評は二つだけ。

大学受験前に、旧帝大卒理系の父がリストラで家庭で荒れ、息子に当たり、息子は母への父の暴行を止めたくて、父を発作的に撲殺してしまう。

もう一つは、保険外交員として、働き出した生保レディー。
代理店営業で不正は、金融では御法度な訳だけども、コンプラ違反の、代理店店長は、
女性生保レディーに、心は天使、体を悪魔にして保険を売れなどと言う。
俗に自爆営業は、自腹で自分が保険に加入のみならず、
ハンコついてもらうのに、枕営業するっつー、

元保険募集人ですが、私のこちらも、元職場は電話営業専門で訪問なしなので、
旧自社では、あり得ない現実めいた話が

罪深いことに、夫や子育てのため、働くママは、
禁じ手の一線を超えてしまい、

町内会の幹部と契約交わし、
致してしまう。結果、街に噂が流れたか、
夫の父、祖父から出て行けと言われ、
無一文から、都会に出てきて渋谷を徘徊しているところから話が始まる。

話始まるのに、人生終わってる2人が、
この大震災を転機にどうなっていくのか?

震災の現地も撮影されてロケ地として
撮影されており、時代の記録映画的になっている。

ふっと、あの海辺を、瓦礫を運び出したり
泥かきしてたなと
ボランティアしてた、自分を思い出したり。

あの頃は車椅子ではなく、バリバリ歩けて
月曜前の夜行バスで都内に帰宅して、
また、復興支援の仕事して、

金曜夕方に、現地ボラに出掛ける夜行バスに乗って、お手伝いしに行ってた。

カメラ持った撮影家のつもりが

あれですね、南極越冬隊に、仮に医師免許持った人が同行したとして、
俺は/私は、医師だから、医療行為しかしない!
と言ったら、翌日から総スカン喰う世界で

動けて出来る人は、何でも率先して自分の頭で考えて行動して結果を出す。

座って、電子カルテに症状入力して、処方箋をプリントアウトして、
次回の予約取って、患者返すだけの、
3分,5分先生じゃ、
全くの木偶の坊でしかない、さながら野戦病院の世界のサバイバルをしない、知らない医師たちの治療を

大人しく、有難く受けながら、
今は、心を病んだ、歩けない障がい者として、
働き、通院し、しがなく細々と生きる。
壊れかけた身体と心で。

救える人を救いたい気持ちは、全く変わらないのに身体が動けない、今の自分を呪うほど情けなく思う。


2人の登場人物の、有り様や現実の冷たさを、
描いていて、何が正義か?
人はどうあるべきか?法律はどうあるべきかが
根本からひっくり返ってる世界で、
生きるのは、法を学び賢くなるしか、道が無い、

生きたくても生きられなかった子供たちも居れば
震災以降は、子育てを放棄してしまった親たちや
その放棄でネグレクトに遭わされたちびっ子たちを、何としても救いたい。

まだ、身体壊れても、救いたい諦めが付かない。

未来ある若者に生きて欲しい、そう願う気持ちが強まり、
自分、転職したけど、キャリアダウンして、仕事増やして生きても
ブレてないかな?と自己反省出来た作品でした。

物悲しさの中に、人間の受け止めきれない現実がある。

そこをセピア色の映像で、柔らかく映像美にしているのは、ズシンと心に響きました。

自己中心的な評でごめんなさい。

とても良い映画だし、この世の中で偶然にも、
同じ時代に生きた人なら、トラウマなければ、
ご覧頂きたい良い作品です。

宜しければ是非。
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監督・企画・脚本 - 奥田瑛二
プロデューサー - 大日方教史
スーパーバイザー - 安藤和津

撮影 - 灰原隆裕
照明 - 大田博
美術 - 竹内公一

編集 - 野本稔
整音 - 久連石由文
音楽 - 稲本響
ポストプロダクションプロデューサー - 篠田学
配給 彩プロ
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