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女っ気なしの一のレビュー・感想・評価

女っ気なし(2011年製作の映画)
4.0
フランスの新鋭 ギヨーム・ブラック監督作品

パリからノルマンディ地方の小さな海辺の町にバカンスに訪れた美しい母娘と出会った心優しい主人公の青年をめぐるひと夏の物語
さえない風貌の孤独な独身男性が彼女たちと過ごすひとときとつかの間の恋を、甘く切なく繊細なタッチで描き出す

1時間にも満たない映画なんだけど、これはロメールの新作ですと言われても全然信じられるくらい満足感のある傑作だった

そもそも現状はディスクを購入しないと観られない映画ですが、MUBIの日本語字幕対応作品自体がかなり珍しいのに、個人的にずっと観たかった作品を配信してくれるのは非常にありがたい

設定や演出、ロケーションや細かな構図から映像の色味、様々な色彩からゆるい空気感やタイトルの出し方までもうほぼほぼロメールなんだけど、それがファンとしてはむちゃくちゃ堪らん

目新しいとか驚くような展開も特にないけど、思春期の娘と不器用な母親の生々しい人間味がすごくリアルだったし、冴えない主人公の冴えなさ加減が絶妙すぎてたまらなく愛おしくなる
おフランスらしい上品さも兼ね備えながらの、ウィットなやりとりや胸がキュッとなるラストカットのあの感じも超最高
いろいろな意味で全ての要素が美しく感じられる傑作

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿※57% 〉
〈 IMDb ※7.0 / Metascore - / Letterboxd 3.6 〉

2021 自宅鑑賞 No.505 MUBI
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