サン

女っ気なしのサンのレビュー・感想・評価

女っ気なし(2011年製作の映画)
3.7
すごく良かった。見終わった後は胸が詰まって言葉が出なかった。。
いたたまれなさ、気まずさの余白があって、見ていて辛いのだけどなぜか目が離せない。そんな作品だった。

主人公のシルヴァンのさえない男物語。バカンスにきた母娘への接し方を見て、共感性羞恥がすごい。ビーチの美女2人に自然に混ざるのはさすがにハードル高いよね。頑張ってるシルヴァンを見て恥ずかしくなる。そして、もし自分がシルヴァンだったらと考えてやっぱり恥ずかしくなる

母と娘の描かれ方も良い。
シングルマザーで娘思いの奔放な母。まずこんな設定の母が新しかった
クラブで母と男がイチャつくのをシルヴァンが邪魔した場面では、娘がその男に「負け犬はあなたよ」と吐き捨てる。その言葉は軽い男というものに対して言ったのかな
「お母さんは愛されるのが怖くて軽い男に行ってしまうの」そのようなことを娘は言った。そんな母を見て娘の気持ちはどう育つのだろう。そんな母を見てきたから最終日、娘はシルヴァンの部屋に行ったんだ。
帰りのバスの中、母は娘がシルヴァンと寝たことを勘付いていたかもしれない。そんな状況で頭を寄せ合う二人の姿が味わい深い

和歌山のミニシアターで初めて見た作品
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