爆裂BOX

ストレンジャー・コールの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ストレンジャー・コール(2006年製作の映画)
3.1
女子高生のジルは人里離れた丘の上に立つ一軒の豪邸にベビーシッターの仕事に向う。二人の子供は二階の部屋で眠りについており、ただの留守番と変わらないと考えていたが、不気味な電話がかかってきて…というストーリー。
「夕暮れにベルが鳴る」をサイモン・ウェスト監督がリメイクしたサスペンス・スリラーです。元ネタはアメリカなどで有名な「ベビーシッターにかかってくる電話」の都市伝説ですね。「暗闇にベルが鳴る」の元ネタでもありますね。
主人公の女子高生ジルがベビーシッターの仕事で向かった豪邸にかかってきた無言電話から始まる恐怖が描かれますが、そのまま描いたら30分くらいで終わるネタを1時間引っ張って描くので、屋敷の中に誰かいるかもしれない不穏な雰囲気や、かかってくる電話で最後の方まで引っ張っていきます。途中、彼氏と浮気してちょっと険悪な雰囲気になってる女友達が訪ねて来たり、浮気して喧嘩した彼氏に電話かけたり、警官に電話かけたりしますが、ほぼ主人公演じるカミーラ・ベルの一人舞台ですね。彼氏はもうちょっと話に絡めても良かったのでは。カミーラ・ベルは美人でスタイル良くて良かったですね。ちょいビッチな女友達役でケイティ・キャシディも出演してます。
かかってくる電話も基本無言電話なんだけど、ボソボソっと喋るセリフが気味悪くて良いですね。「子供の姿を確認したか?」の台詞は映が始まってから一度も子供の姿が映ってないだけに嫌な予感と想像を掻き立ててくれて良いですね。でもベビーシッターなのに一度も子供の様子見に行かないジルもどうなんだ(笑)電話の声はランス・ヘンリクセンが担当してるんですね。
ゲストハウスの明かりがついて動く人影見たり、家政婦の電話の音が近くで響いたりと不気味な雰囲気は良いんですが、流石にずっとそれで引っ張られるとちょっと飽きてきますね。元ネタの都市伝説知ってる人は落ちもわかってるわけですし。それでもやっぱり逆探知で電話をかけてる犯人の場所が分る所はちょっとゾッとします。子供部屋で天井にいる犯人発見する所もギョッとしたな。
終盤の子供二人連れて豪邸の中を犯人から逃げ回る展開はハラハラさせてくれて良かった。「責任感を持って行動しろ」との父親の言葉を思い出してか、子供達を必死で助けようとするジルの姿も良かった。犯人も一言も発さず、顔も見えないままなのも、最後まで正体も動機もわからないのも良かったですね。最後に顔出ますが、パトカーの中からジルを睨みつける眼つきが妙に怖い。
ゴア描写は全然ないので、それを期待するとがっかりしますね。でも、最初の惨殺現場で、ベテラン刑事が思わず吐きそうになったり、黒いゴミ袋みたいな袋で運び出される描写で事件の凄惨さを伝える所は好きですね。
子供も一緒に助かったけど、深いトラウマを残されるラストの後味悪さはちょっと好き。
派手なゴア描写やホラー描写を期待するとがっかりすると思いますが、不気味で不穏な雰囲気と描写は良かったんじゃないでしょうか。