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ブラックフォックス/アドルフヒトラーの真実のRVPのレビュー・感想・評価

3.2
ヒトラーの誕生から終戦までの主にドイツの歴史を、映像や写真にナレーションを載せ、時に童話(?)にも準えながら振り返るドキュメンタリー。NHK「映像の世紀」に近い印象。

とにかく編集のテンポが早く、当時の写真、宗教画、カートゥーンチックなイラストが次から次へと入れ替わるので90分とはいえ束の間。
虚仮威的なシリアスな音楽から、テーマにしては明る過ぎるメロディー、アクションに合わせたミッキーマウシングまで音も多用される。

大変興味深いのは、ヒトラーの誘いを断って渡米した(また、彼の戦意高揚映画を撮ったリーフェンシュタールのライバルでもあった)ディートリッヒがナレーターを務めている点。
そのハスキーで淡々とした声には彼及び彼等がしたことへのジャッジは込められない。

ラストはディートリッヒも出演したニュールンベルク裁判から、『間諜X27』を思わせる戦犯の処刑へ。
(というか、彼女はなぜ『ニュールンベルク裁判』のあの役を受けたのかという疑問がやはり再び。プロイセン人としての誇りなのか?)

『M』、『巨人ゴーレム』、『嘆きの天使』等の映像もちょっぴり載っていてそこだけはテン上げです。
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