原題は「Gravity」。
原題を知ってしまうと、邦題は余計なものを付けたもんだなと。
文字通り重みも深みもゼロだなと。
ま、それはさておき作品です。
ハッブル宇宙望遠鏡の修理作業をしていたアメリカ人たち(サンドラ・ブロック他)が、
遠くで爆発事故を起こしたロシアの宇宙船から飛んできた
破片の雨あられに巻き込まれてしまうという話です。
宇宙でこんな事故に遭ったら、
万に一つ、否、億に一つも生き残れないところですが、
とは言え
「みんな、てんでんぱらぱら、宇宙の塵になってしまいました。おわり。」
では映画として成立しませんから、
いかに視聴者に見透かさないように話に引き込むかが勝負だと思います。
まあ上手くやっていると思います。
事故を警告した地球の管制塔サイドのシーンもなければ、
回想シーンもありません。
ひたすら主人公廻りの宇宙空間
または宇宙施設内の視点のみで構成されているので、
息が詰まり、逃げ場がありません。
空間が無限に広がっているがゆえの閉塞感、孤独感に
押しつぶされそうになります。
余計なシーンをそぎ落とし、創り手にとっても逃げ場がないわけですが、
そこは妥協することなく、
徹底的に宇宙空間を、無重力感を、ディテールを創り込んでいます。
ここでまったく妥協をしないのがアメリカ映画の強みだと思います。