オーウェン

ゼロ・グラビティのオーウェンのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.5
予告編を見たときから3Dで観る映画だと思っていたが、その予想以上の映像体験に鑑賞というより宇宙空間を疑似体験する映画であった。

スペースシャトルの船外作業を行っている宇宙飛行士たち。
だがそこに衛星が爆破の連絡が入り、宇宙船に向けて飛散した破片が襲う。
ライアン博士とコワルスキー飛行士の二人は宇宙空間へと放り出されることに。

冒頭からとにかく映像に圧倒される。
アルフォンソ・キュアロンといえばワンショット撮影があまりにも有名だが、その技術が宇宙では思う存分発揮されている。

僅か15分ほどで二人の状況設定は出来上がる。
しかしこの緊張感の高さは尋常ではない。
特に宇宙に放り出された後は、こちらも同じように暗闇の中にいるかのよう。

90分と短いながらも、これ以上の緊張を強いるのは無理なギリギリの時間である。
音楽も不安を煽り、当たり前だが宇宙空間では音がしない。
だから余計に体験している気分になる。

サンドラ・ブロックの母性からくる力強さは目を見張るものがある。
そして終盤はあるものを使って危機を脱しようとするが、ここはさすがに無理だろと思った。
しかしそれすらも生きようとする執念にかき消される。

凄まじい映像体験だったが、この映画の真価こそ3Dで観なくては発揮できないといえる。
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