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ゼロ・グラビティのRのネタバレレビュー・内容・結末

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で鑑賞。

2013年公開の宇宙を舞台にしたSF映画。

今まで生きてきて後悔したことの1つとしてこの「ゼロ・グラビティ」を映画館で最適な環境の中で観れなかったことが挙げられる。

劇場でやってたのに!観れなかった…。

改めて観るとやっぱり今作は劇場でこそ臨場感を感じられたであろう作品だと思う。

「トゥモローワールド」のアルフォンソ・キュアロンによるこのSFスペースパニック映画はその圧倒的視覚的リアルと構造でアカデミー視覚効果賞など様々な賞を受賞、一大ヒットを巻き起こしたまさに2013年を代表する作品の1つと言えるだろう。

その内容はまさにセンス・オブ・ワンダー!新感覚の映画体験。

冒頭の13分の監督お得意の長回しから引き込まれる。

まるで見ているものも宇宙空間に漂うような視覚映像はまさに圧巻。

また、長回しということで小さい事物が次第に大きくフォーカスされる様も丁寧に描いていて、視覚的な幸福感が持続的に続くのが素晴らしい。

また、視覚映像ばかりが目立つ今作だが、内容もパニックものとしてとても面白いことも特長。

キャラはほぼ主要キャストの二人のみ、上映時間90分程度とコンパクトな内容だがその中にしっかりと詰まっている。

特に主要キャラを演じるサンドラ・ブロック(「デンジャラス・バディ」)とジョージ・クルーニー(「オーシャンズ13」)が良い。

特にコワルスキーを演じるジョージ・クルーニーが印象深い。

普段は宇宙での業務中もジョークをかますフランクな性格ながら緊急事態では冷静な判断で仲間を救うナイスガイ。

それでいてどんな状況下でも仲間を勇気付けたりと持ち前の明るさは忘れない。

理想の上司とはこんなキャラをいうんじゃないだろうか。

登場シーンは残念ながら前半部分だけだが死してなお、ストーンを勇気付けたりと最後まで魅力的。

だからこそ、ストーンを助けるために宇宙空間に放り出され徐々にフェードアウトしていく際の「荘厳だ…。」は涙を禁じえない。

サンドラ演じるストーン博士も暗い過去を持つが今作での出来事を通じて次第に成長を見せる女性として素晴らしい演技を見せてくれる(年齢にしてまるで若者のような健康的な身体なので視覚的ストレスも少ない)

これ俺なら何回死んでるかな…という宇宙でのアクシデントを潜り抜け、ラストの全てを受け入れ、覚悟したような演技は今作を極上のエンターテイメントとしての価値を更に高めていると思う。

今作の素晴らしさは圧倒的映像が見せる宇宙での災難に次ぐ災難、そこまでのサスペンスの質もさることながら、その先にある人としての尊厳や諦観にあると思う。

まさに「人間賛歌」を謳った素晴らしい作品だった。

前述で映画館が最適と書いたけど今回はVITAで部屋真っ暗にしてイヤホンつけてみたら、結果的に小宇宙という感じでそれはそれでけっこう良かった笑。
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