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トランセンデンスのhilockのレビュー・感想・評価

トランセンデンス(2014年製作の映画)
1.4
人間の脳をコンピュータに入れ込むことで、起きるAIの恐怖を描く。世界の終焉カウントダウンという、危険度のランキングにも、コンピュータの自我暴走という懸念はもう数十年前からあるのだが、本作は人工知能に人間の要素を加えれば、暴走は止められるのでは?という機械と人間の融合を温かい目で描く映画という前フリの情報を予告編でも持っていた。しかし、映画にクリストファー・ノーランが絡めば、ただでは終わらず、サスペンスや、感性の揺さぶりがあるのだろうと、いつも通りの頭150%のフル起動をして鑑賞してみたのだが、一向にそのようなそぶりはない。なんでだろう・・・・・・と。視聴後キャストを確認すると、クリストファー・ノーランは製作総指揮を務めただけ。なるほどね。と妙に納得してしまいました。本作の感想としては、紛れもない愛の映画で、人間関係の中に愛情は存在するが、それが機械を媒介としたときどうだ?という観点で話は進みます。人間の思考や心理は、沈黙の中では生まれない。どんなに意思疎通が簡略化しても、コアな部分はアナログなのであるという、昨今の意思疎通の脆弱性を問題視した監督の意図であるのだが、人間性の有無で揺さぶるような脚本にはなっておらず、終始サスペンスフルな展開もなく終える。なんとも後味悪い。いや、SFというのはきな臭いものだからこれが本来の感覚なのかもしれません。共演は、モーガン・フリーマン、ポール・ベタニー、ケイトマーラ、キリアン・マーフィー。ジョニデで見に行って、騙された映画。というフレーズはよく聞くが、ノーランを見に行って騙された。という人少なくてもここに一人います。
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