RIO

哀しみのベラドンナのRIOのレビュー・感想・評価

哀しみのベラドンナ(1973年製作の映画)
3.7
クレヨンで描いたようなパステルカラー
水に溶かした絵の具をそのままキャンバスに落としたような淡い色が混ざり合う

ジャンとジャンヌの哀し過ぎる運命

冒頭はカリギュラが始まるのかと思わせる理不尽な悲劇に染まる

貧しさと美しさが原因で地の底に叩き込まれてしまうジャンヌ
黒い裁きを受け事あるごとに肉体的な苦痛を強いられる

復讐を密かに抱き知らずして悪魔を呼び起こした 弱さから肉体に悪魔を受入れその度に力を増して魔女になった

哀しみと忘却

心は地獄だとしても自分が醜いと感じる毎に浄化されているように思えてならなかった
かそうでないとストーリーが成り立たないとさえ思えた
ジャンヌが悪魔になったというよりされたのには企みの作意があるという意味

デーモンの仲代達矢の変態な声が木霊して気持ち悪い
監督は人間を駄目にするものの描写を盛り込んでます 毒には毒を以て制すとでも言ってるみたい

とにかく最初から最後までアニメーションが素晴らしいセンスで線画と色彩の洪水に溺れる
だけど頑張ったんですがこの時代独特の女の子みたいな音楽だけは無理でした

「魔女」原作* ジュール・ミシュレ
J・ミシュレはジャンヌ・ダルクも書いてますからこれも女性像と時代の関係性ありますね
RIO

RIO