カラン

ランナウェイ 逃亡者のカランのレビュー・感想・評価

ランナウェイ 逃亡者(2012年製作の映画)
4.0
70年代にベトナム戦争と、国内での徴兵制に立ち上がった若者たちの一部は過激派となって、人が射殺される事態にまで進んだ。その後、潜伏した若者たちは30年以上のあいだ当局の捜査を交わしてきたが、、、



ロバート・レッドフォードは10本の映画を監督してきたようで、本作はその内の9本目で、撮影時には彼は75歳。共演は豪華オールスターズで、①スーザン・サラドン(65)、②ブレンダン・グリーソン(56)、③テレンス・ハワード(43)、④ニック・ノルティー(70)、⑤スタンリー・トゥッチ(51)、⑥クリス・クーパー(60)、⑦リチャード・ジェンキンス(64)ときて、さらにファムファタールに⑧あの方!で、こういう年齢高めの腕利きの方々に、⑨シャイア・ラブーフ(25)が傲慢な若い記者で絡む。その相手になる⑩ブリット・マーリング(29)がフレッシュで可愛い。(注、年齢は撮影時の2011年のもの)

⑨の方はへらず口が多い役をやる印象だが、本作では先輩たちが圧倒的でうまく絡んでいる。特にロバート・レッドフォードが若さにあきれたような顔でコミュニケーションを打ち切ろうとするのだが、うまく⑨を劇中で活かしている。実際、⑨はストーリーには実質的に不要なんだけど、わざと絡ませてるのが、ポジティブな結果になってるよね。

④の酒とタバコで焼けたような声が最高。

⑩は⑨の恋心を瞬時につかみ、若い世代のファムファタールなオーラを出す。最近はどうしただろう。好きな女優さんなんだけど。本作の後は『ザ・イースト』(2013)で、本作のレッドフォードや⑧の役回りであったが。

本作は2000万ドルくらい売れたが、予算が200万ドルだそうな。ロバート・レッドフォードのお友だち料金のギャラでみんな出演したのかな。共演者たちは⑨以外は一度出て来ると、その後はあまり出てこない。撮影期間を切りつめて、ちょっとだけだからギャラを安くしてもらったのかな。(^^) だってこのメンツは200万ドルじゃ無理だよね、普通。

で、こういう豪華共演陣を入れ替わり立ち替わりさせると、エピソード集みたいになって、映画全体が薄くなりがちだが、ロバート・レッドフォードはむしろ短い撮影期間で溜めたフッテージを省略するんだよね。余裕がある。自分だったら貧乏っちい編集になって、⑧の方なんて省略できなくて最悪な出来になりそう。⑩もかなり切ったのじゃないかと。さすがなんだよねー、「この人をもっと観せてくれー」を逆に映画の魅力に変えているっていうのかな。ロバート・レッドフォードも⑧も冷静になれば、森にハイキングに来たのかな〜って感じだけどさ。素敵。娘ちゃんも可愛い。ちょっと演技できてないけど。(^^)


Blu-rayで視聴。観てる人少ないなあ。フォローしているシネフィル軍団はどうしたんだぁ〜。点数やたらと低いし。役者好きには面白いよ!
カラン

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