記録。
一歩踏み出した世界はこんなにも…

ジョン・トラボルタが『キャリー』(ブライアン・デ・パルマ監督)と同年に主演したテレビ映画。

先天的な免疫不全を持ってこの世に生を享けた少年の青春物語。”プラスチックの中”とは無菌室を意味する。常人にとっては微弱な菌やウイルスが彼にとっては命取りになるのだ。

全然本質的じゃないんだけど、いくら古い作品とはいえDVDの画質の劣悪さに唖然。まるで3倍モードで録画して5年くらい放置したVHSみたい(笑)

映画自体は割と現代でも古びない、甘酸っぱさと爽快感が共存する普遍的な内容。

当時22歳のトラボルタの顔は胸焼けしそうなくらいに濃ゆいが、その濃厚さを帳消しにするくらいには爽やかだ。

素敵なのはやっぱり一枚隔てたキスシーンですかね。それなりにへこたれる事はあれども、健やかで前向きな主人公像も良き。

目に見えないウイルスのせいで見えない壁に囲まれたような窮屈感を覚える昨今。この映画の主人公とシンクロする部分も多いかもしれないよ。

1976年の青春・難病モノTV映画なので、今観たら爆笑かと思ったら、意外に爽やかな感動をさせられました（爆笑もしたけど）。

当時22歳のジョン・トラボルタは、他のTVシリーズで不良を演じてものすごい人気があり、このTV映画はそのトラボルタ人気ありき、プラス彼の繊細な側面を見せたいという意図で作られたそうで、やたらと爽やかな笑顔を振りまき、拗ねたりふくれたり、可愛いぶっているのは、高校生の初々しさを出したいからなのでしょうが、バカっぽくて笑える。

この主人公のトッドは、生まれた時から免疫力がほとんどなく、外気に触れただけでも死んでしまうと、プラスチックの箱の中でしか生きられない。この設定が可笑しくて、だって普通のティーンエージャーの部屋をビニールで囲っているだけなんだもん。ステレオとかTVとかベッドとかみんなあるけど、あれ全部消毒して入れたの？みたいな。

その中でトッドは、『ロッキー３』でも見られるぴちぴちの短パンにぴちぴちのタンクトップばっかり着ていて、劇中でも「なんであなたそんな恰好ばっかしているの？」とかツッコまれて「この中は暑いんだよ」と言い訳しているが、あれはティーンのheartthrob、つまりセクシー・ガイだったトラボルタの肉体を晒したいからに間違いない！

そんな恰好にぼんぼんの付いた帽子をかぶって、毛むくじゃらなスネ丸出しでファンキーな曲に合わせてダンスをするシーンがあるが、この後『サタデー・ナイト・フィーバー』でブレイクする割にはダンスが下手だったり、なんか笑える。

独立記念日のビーチ・パーティに行くときは、でっかいビニールの箱に入れられて、カンカン照りのビーチの端っこに、夜の花火大会までずーっと置きっぱなしにされるという、あり得ない設定が続き、そこはいちいちツッコミながら笑えるのだが、こんな難病を抱えて成長していくのは大変だろうなあと素直に感情移入できちゃったりするところが不思議。

隣に住むジニーという女の子に恋をするのはこの手の物語の定番なのだが、ジニーを演じるグリニス・オコナーという女優さんがとても可愛らしく、ジニーというキャラクターもリアルな女子高生っぽくって、この2人の関係が受け入れやすいのも、素直に感動できる理由の一つかも。

なんてしみじみしていると、ジニーと同じ高校に通いたい、というトッドが宇宙服のようなものをデザインするのだが、このデザイン画が「ヘタウマ漫画」みたいな絵でまた爆笑させられる。さらにこれを本当に作ってしまうところが「こんなんで細菌を防げるの？！」とまた笑える。

その宇宙服を着たまま恋敵のトミーと腕立て伏せ競争をして死にかけるという暴挙までするのだが、ジニーに「同情されていたくなかった。男として認めて欲しかった」みたいなことを言うトッドに、なぜか感情移入させられる～！

このお話はフィクションなんだけど、モデルになった男の子が2人いて、その内の一人は実際にこの宇宙服みたいのを着て学校に行ったことがあるそうだ。だけど、一日しか行かなかったんだって。見世物になるのがいやだったから。この子たちは、１人は12歳、もう１人は18歳で亡くなったそうだ。だから笑っちゃいけないのだが、この映画自体をパロッた『バブルボーイ』という映画が、ジェイク・ギレンホール主演で2001年にリリースされている。本当はそっちを観たかったんだけど、図書館に置いてない！

この映画も、めちゃめちゃ画像が劣化していて、誰もリマスターしていないようなので、いつ手に入らなくなるかと思うと、早く観て置かないとって思った。

エンディングが賛否両論なのだが、ネタバレになってしまうと申し訳ないのでコメント欄に隠しますが、その前に裏話を一つ。

トラボルタは、この映画でトッドのお母さん役を演じるダイアナ・ハイランドと恋に落ちるそうなのだ。18歳の年の差を超えて、マジ恋愛だったらしいが、ダイアナ・ハイランドはわずか半年で、トラボルタが『サタデー・ナイト・フィーバー』を撮影中に、乳がんで死んでしまうんだって。アメリカでは有名な話だったらしいけど、全然知らなかった。トラボルタも色々辛いことがあったんだね～。

では、エンディングはコメント欄で！

宇宙服

生まれた時から先天性の免疫疾患を抱える青年トッド
無菌状態の部屋で暮らす彼は、恋に勉学に懸命に生きていた……

いろんなことをやってますね

青春
ロマンスもあり

ラストはホッコリ

ジョン・トラヴォルタが若い

画質が悪かったです