“そろそろお前の生きる道を選べ”
ヤクザ稼業への潜入捜査モノの韓国ノワール映画。
秀作という言葉が妥当であり、代替語も思いつかない程にバランスに優れた作品かと。
随所に北野映画からインスパイアされたであろうカラーが塗られているものの、北野映画で言うところの【アウトレイジ】のような万人受けをしっかりと意識したエンタメとしてのバイオレンス描写が特に“秀でてる”。
先ずオープニングとエンディングの訴求力が半端ない！！
その構成（両シーン）と役者の演技力が本作最大のスパイスであり味の決め手。
本編のアレコレは、時にユーモアも踏まえつつも大部分がシリアスな腹黒き人間同士の探り合いが占めている。
そんな中、ファン・ジョンミン演じる兄貴の生き様と格好良さに導かれ、本作はよりヒューマンなノワールものとして膨らんでいるので、単なる潜入ものやヤクザものでは括れない何にも例え難い哀愁感や悲壮感を感じ、実に噛み応え充分な再鑑賞必至な作品として愛されるのかなぁと。
がしかし
そこは流石の韓流ノワール！
バイオレンス部門はガッツリと鉄板描写をこれでもかと見せてくれているのもエンタメ性に富んでいて見事なバランス。
そして、後半にかけてのどんでん返し的な裏切り展開も中盤までの淡々さからのドッカンブーストが効いていて興奮のGが重くのしかかる！！
何度も言うが
こう言った抑揚が本当にバランス良くて丁度良いんだよなぁ〜。
暗過ぎず、重過ぎず、グロ過ぎず。
そして最後は妙な安堵感に包まれるこのバランスこそ、本作の魅力であり味力。
また味わいたいなぁ〜〜ってなる。
