うずら

トランス・ワールドのうずらのネタバレレビュー・内容・結末

トランス・ワールド(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

あらすじもなにも知らずに観るのが一番旨みを感じられる。
低予算映画という驚き。
淡々としたサスペンスだけど登場人物の少なさ故に理解しやすく、きれいにまとまっていていい作品。そう言われればそうとしか言えない伏線がちゃんとしっかりしていて良い。古めかしいお嬢さんも昔のヤンキーの風貌も、絶妙なバランスの違和感。唸った。

あの世界線のジョディが死んだからトムも消えた。やっぱり、トムの父親と思われる彼とジョディが顔見知りでもなくなったようすから、投獄されなかった未来ではトムは生まれることがないのが濃厚なのかな。SFの切なさがある。ハッピーエンドとは言い難い、けどみんなわかってた。サマンサとジョディ母娘は幸せそうだったしハッピーエンドだと思いたい。

あのお店とおじさんが起点だったんだな。世にも奇妙な物語めいてた。ジョディがあのお店に強盗に入らなければ4人が集まることもなく変化もなくみんな死んでた。そう言えばはじまりもそうだったし彼女が軸なんだなと最後になってようやく気づいた。
トム、トムは残念だ。頑張っていた、いい子だったしささやかな願いを叶えてほしかった。あの小屋の世界線が消えた今誰も気づくことがないと言うのがまた。SFの醍醐味やね。シクシク
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