平久保百年子

夜をひらく 女の市場の平久保百年子のレビュー・感想・評価

夜をひらく 女の市場(1969年製作の映画)
1.6
キチーンと片付いた部屋とか、なんか落ち着かなかったりしませんか?
むしろ程よく散らかった部屋のほうが落ち着く、みたいなことあると思うんですよ。

それと似たようなところで、男の人って、完璧な感じの女ってなんとなく敬遠するじゃないですか。

自分自身と比較して釣り合いが取れない引け目からそうなっちゃうのかどうか知りませんけど、程よくブスで可愛いくて、しっかりしてると思わせといて抜けたところもありみたいな女だけが持つ空気感、結構好きっていう人いそうですよね?

程よく散らかった部屋で、ドンキで買ったみたいなだらしない部屋着で、マッコリの炭酸割りと6Pチーズに味付け海苔巻いてチンしただけのおつまみとか出してくる彼女の安心感っていうんですかね?

この映画はそういう映画です。

数多ある名作怪作鬼作と呼ばれる、古今東西&洋の東西の映画の中から、これを選んで見ちゃう人って、きっとそういうものを求めてるんだと思うんですよ。

この程よいだらしなさ、これこそがこの映画の持ち味。

どこがかっこいいのかわからない小林旭がメチャクソカッコつけてたり、妖怪みたいな女たちが美人の扱いだったり、見えてもあんまり嬉しく無いおっぱいとか、牧歌的とさえ思える乱闘からの私刑シーンとか。
いい歳したおっさんがギャングごっこしてキャッキャしてる様子を、微笑ましく見守りたい。そういう時のニーズにピッタリ!