古池

テレーズの罪/テレーズ・デスケルウの古池のレビュー・感想・評価

4.6
意味なく長文に、なってしまった…

原作は未読。昔、課題で読んだ遠藤周作「深い河」は群像劇的な作品ですが、ヒロイン風な女性が、原作のテレーズのイメージを託されていたので、微妙に気になって観ました。
テレーズの義理の妹が「彼は秘密の女ともだち」のアナイスで、テレーズはオドレイ・トトゥだし。
1920年代の舞台設定ながら、描かれる心理は不変かも…。当時の抑圧はもちろん、強いのでしょうけれど。
映像もきれいで、不穏な低体温な雰囲気が、とても好き。
冷徹なくらいに頭が良くて、気も強い女性の密かな鬱憤を、じわーっと演じるオドレイ・トトゥが、素晴らしい。「アメリ」しか観てないので、こんなに素敵な女優さんとは、知らなかったです。アナイスも、良かった。
テレーズは、夫が自分を、彼なりに愛していることは理解してる。でも、その対象は「私」であって「私」でない。私じゃなくても、変わらないでしょ…。という、冴え過ぎる感覚が…。
行為中の見開かれた瞳が、恐ろしい。
ちょっと理解し難いようでいて、誰しも抱いていそうな「悪」が、うま~く描かれていたかと。
お家第一は大変だな…。救いようの無い、陰鬱な…
と、思ったら、そうでもないかな~~?
原作、読むかな?ってくらい、個人的には好きだった。

「あなたは常に動機が明瞭ね」
古池

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