【第41回ヴェネツィア映画祭 審査員特別グランプリ】
イオセリアーニ映画祭にて。この人マチュー・アマルリックに似てるなーと思ってたらやっぱりそうだったみたい。
うーん、初イオセリアーニだったけど合わないかもこの作風…
数多くの人がモザイク状に交錯するクライム群像劇。アルトマンみたいな感じ。
「あ、この人あのときの!」というウォーリーを探せ的な発見はあるが、全体として何が伝えたい作品なのかよく理解できなかった。
月の寵児たちとは月の女神ディアナに仕える狩人のことらしい。現代の猟師としての空き巣や武器職人なのかな。
でも途中で娼婦たちが言うのは「善良な人間ばかり逮捕されて、人間のクズは野放し」ということ。
その意味では空き巣に入られる金持ちや汚職警官たちの方が人間のクズとして描かれる。夫婦どちらも不倫をして自堕落な生活を送る。
どんどん小さくなっていく裸体画は何かの象徴なのか。うーん、分からない。
いずれにしてもしみったれた話で映像的にここがよかった、というのはなかった。ひたすら横移動しかしないカメラはイオセリアーニの作風なのかもしれないが流石に飽きてくる。
よくできているといえばそうなのかもしれないがあまりにワンパターンでメリハリがなく退屈してしまったな。クスッとする瞬間はままあったけど。