羊の群れは丘を登る

月の寵児たちの羊の群れは丘を登るのレビュー・感想・評価

月の寵児たち(1985年製作の映画)
3.8
ジョージア🇬🇪から拠点をフランス🇫🇷に移したイオセリアーニ監督がフランス🇫🇷パリで撮影した初の長編作品。

18世紀のリモージュ焼きの絵皿、19世紀の貴婦人の裸体画がパリの骨董品に並ぶことをキッカケに、
画廊主、刑事、美容師、エンジニア、娼婦、テロリスト、ホームレス、盗人の父と息子と様々な人物が織りなす群像劇。

盗人の息子をマチュー・アマルリックが演じ、本作が俳優としてのデビュー作になっている。

正直、1回観ただけでは人物のつながりや状況の把握は難しい作品。スコアを付けるのも正直難しい。

トークイベントの筒井武文監督から記録

監督自身は2016年頃にこの作品を観て、今回で3回目を観て、内容を把握できたらしい。
その言葉を聞いて安心した😮‍💨
イオセリアーニ監督は社会の枠に外れた人間だとしても登場人物それぞれの目線で描いていて、善悪で人を捉えていない。
ジョージア🇬🇪首都トリビシとフランス🇫🇷パリの街が酷似していること。
もしもジョージア🇬🇪トリビシで撮影された場合、シリアスな感じが出て、この作品のような滑稽に思える部分はなかったのではないかと推察。

『汽車はふたたび故郷へ』
     ➕
『月の寵児たち』

『唯一、ゲオルギア』
     ➕
『群盗、第七章』
を合わせて観ると、理解度が上がるらしい。

自分の好きな場面は警察署で婦警たちが1人また1人と廊下を歩いては部屋に入りと玉突き🎱のように移動を繰り返しているところが奇妙で面白かった。

イオセリアーニ監督の『汽車はふたたび故郷へ』と『皆さま、ごきげんよう』観たけど、難し過ぎて分からなくて戸惑いがあった🙄
いかに自分が、タイパとかストーリーを意識しているのか気付いた。
今回のトークショーとセットで、この作品を観れて良かった。