HiromiA

月の寵児たちのHiromiAのレビュー・感想・評価

月の寵児たち(1985年製作の映画)
3.5
 パリというのはこれほどまでに空き巣や強盗が頻発するところなんだろうか。家に帰ってみたら荒らされていて金目のものが無くなっているというのは、かなりのショックなんだけど皆さんそれなりにショックは受けてはいるもののへたりこむほどでもないようでした。草原を背景とした裸婦像は最後にはただの美人画みたいに小さな絵になったのはちょっと笑えました。主人公はこの絵と食器だったのかな。そして美術館以外では美術品と言えども時間とともに変化していくし消費されてしまうものだってあるんだよってことかな。それにしても切り取ってでも持ち帰りたいと思わせる魅力があの裸婦画にはあったと言うことなんでしょうか。空き巣に入る人たちをただ眺めている隣人というのもなんだかちょっと恐ろしい。あるいは日常茶飯事ということなんでしょうか。空き巣と押し込み強盗では罪の重さが違うんでしょうね。説明的でないカット割とあちこちに飛んでいく編集は観客を飽きさせない工夫だと思うし、私としては面白く鑑賞できたけど、人によってはついていけないという危険をはらんでいる気がした。
 「オタール・イオセリアーニ映画祭~ジョージア、そしてパリ~@チネ・ラヴィータ」で鑑賞。
HiromiA

HiromiA