鮭茶漬け

月の寵児たちの鮭茶漬けのレビュー・感想・評価

月の寵児たち(1985年製作の映画)
4.2
オタール・イオセリアーニ監督特集

まずイオセリアーニ監督の全作品特集というものをやってくれただけで大感謝。特に2000年以前の作品なんて廃盤DVDを高く買うしかなかったですし…。

本作品はフランスに移ってからの初長編でありマチュー・アマルリュックの俳優デビュー作でもあります。絵皿と裸体画、そして強盗、空き巣、売春、不倫、…といった犯罪的営み、交差する人々の物語。パリに移るとここまで変わるのか。いや、確かに、描いている視点は変わらないんだけども…。
人間が作り出す「もの」への視点は、ジョージア時代の『四月』と通じているものがあるなと感じます。
作品を通じて、イオセリアーニ自身が、幾度も繰り返される人々の愚かさへの諦めを持っているんだろうけれど、微かな一筋の希望を持っている(からこそこんな作風になる)のだろうと思います。
鮭茶漬け

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