B姐さん

昼顔のB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

昼顔(1967年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

単なる不倫劇かと思っていたら、「死人」が生き返り、寄り添っていた「医者」が「死人」になり、ほとんどの登場人物が最後には「なんらかのもの」を失くし、「空洞」を抱える、というすごい不条理劇、いやメロドラマだった。

「ヘップバーンはジバンシーのハンガー」って誰かがいっていたけど(名言)、カトリーヌ・ドヌーヴはサンローランに「着られてる」ことはない。だから衣装をいとも簡単に脱ぎ捨てるし、男たちも遠慮なく彼女から服をぞんざいに剥ぎ取る。

娼館という舞台装置を非現実世界として描かずにあくまでも内面世界だけをシュールに描くというセンスが素晴らしい。そういう発想ができるものとドヌーヴにしか「誰も乗っていない“からっぽ”な馬車」は見えないし、「鈴の音」も聞こえない。
B姐さん

B姐さん