幼少期のトラウマから性に問題を抱える女の人が娼婦になって色々目覚めてしまうお話。三島由紀夫『音楽』とは雰囲気は違うけどこの構造はよくあるよなと。主役の女の人が目覚めていく辺りでトラウマを強調するわけでもなく夫への対応も激変するわけではない。それこそ『音楽』は増村保造が映画化しているけど、ああいう緊迫感があるわけでもない。それが良いところでもあるし僕の場合しっくりこなかったところでもあるんだろう。
でもラストシーンがとても良い。真実を知った夫は全身麻痺ながらも涙を流し手を開く。その様子に全てを受け入れることを決意した妻は顔を綻ばせ、また妄想を広げる。そしてオープニングと重なるようなエンディング。凄く綺麗な流れで好き。ここだけで良い映画だと思った。
つか奥さん『シェルブールの雨傘』の人だ。あとオリヴェイラによる続編の『夜顔』観たいっすわ。
