イワシ

昼顔のイワシのレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
5.0
ほとんど憶えてなかったけど、とても怖い映画だった。液体が溢れるイメージが何度か登場し(ときには液体が入った容器が割れる)、このイメージが夢と現実の境を侵犯していき、最終的にジャン・ソレルの流血と涙を映画に呼ぶ。パリの街と秋の森が二重写しになったショットが素晴らしい。液体が溢れるイメージといっても実際にすべてが画面に映るわけではなく、とくに中盤においてはグラスや木の器を投げ捨てるアクションが間接的にこのイメージを連想させる。花瓶の水、香水、涙という画面に現れる液体は、すべてドヌーヴとソレルの住む部屋でその姿を見せる。

公爵の頼みでカトリーヌ・ドヌーヴが死体に扮するシーンで『アンジェリカの微笑み』を思い出してしまった。いや、あんな変態なシーンはオリヴェイラの映画にはないんだけども。
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