ぽかぽか

昼顔のぽかぽかのレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
4.3
ずっと変。変なのは話とか妄想うんたらかんたらってよりもたとえばタクシー運転手が娼館をざっと6軒は案内できる→運転中に二度襲われた事がある、という繋がりの曖昧な話をしてそれを聞いた(のか聞いていないのか)主人公がじっと表情を硬直させてしばらくボーッとして謎の間が生まれるところの方とかで、そもそも変な話の上に変なことしてるからめちゃ気持ち悪い。「昼顔」として働き始めて最初の客の太ったおっさんがシャンパンを開けるシーン、おっさんが歌いながら陽気に栓を開けようとしてる最中に4人の女が2人ずつで会話してて明らかにごちゃごちゃしておかしい。こんな説明のつかない倫理に欠けたものは「映画」であるとしか言いようがない。最初と最後を同じモチーフで繋げてきれいにまとめた感じにしてるのもヤバいし、猫の鳴き声とか鐘?のぶつかり合う音を乗せてるの怖すぎる。音の処理と手や足のクローズアップ、役者の繊細なしぐさや振る舞いを捉える静かなカメラ、人体の全身と細部の動きに演出のすべてを注いでて観るのに気力がいる映画。

「ほとんどの牛が"後悔"という名前だ。1匹だけ"贖罪"という牛がいる」
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