南

昼顔の南のレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
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倒錯した性的妄想と現実の境目が曖昧に描かれる、同じくカトリーヌ・ドヌーヴ主演の『反撥』や『アイズ・ワイド・シャット』と近い作品。

同年のドヌーヴ主演作品『ロシュフォールの恋人たち』の突き抜けた華やかさとは正反対に、退廃的でフシギなムードが作品全体を覆っている。

BGMはほぼ皆無。馬車の鈴、神経質な時計の針、チャイムなど最低限の効果音で薄気味悪さを際立たせるあたりも『反撥』的だ。

サンローランの衣裳はもちろん、ロジェ・ヴィヴィエのエナメルパンプスが上品この上ない。足元アップのシーン、何度でも拝みたい。

ロシュフォール〜で好人物を演じていたミシェル・ピコリが、今作では狡猾な紳士を演じているのも見どころ。
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